庭を見ること、ランドスケープを訪れること

8月 15th, 2010 by Taguchi Leave a reply »

昨日、大学の研究室の先輩とスカイプで話していると、「研究室の学生が質問があるから、相談に載ってくれないか?」と頼まれました。「夏休みの課題として、素晴らしい屋上緑化の事例を見に行きたいのだが、デザインの観点からみてどこがお勧めですか?」という質問でした。

私は、職業柄、さらには、個人的な趣味として、日本や世界の庭やランドスケープを見に行くことが大好きです。なぜかと言うと、現地の庭・都市空間・公園などには、そこに住む人々が、どのように利用しているのか見ることが出来るからです。そして、現地の気候、緑、光、風などを自分で感じながら、空間や景観を観察することがとても重要だと考えています。そして、そこにある快適な空間には、何が影響しているのか思いふけることもあります。

特に、学生の時には、たくさんのランドスケープを見に行きました。一人で行くことも多かったのですが、ルイジアナ州立大学のMax Conrad先生とは、世界各地のランドスケープを見に行きました。今でも、それは、私がデザイナー・計画者としての貴重な糧となっていることは間違いありません。

Max Z Conrad先生。 視察旅行(Field Trip)のインドにて。

Max Z Conrad先生。 視察旅行(Field Trip)のインドにて。

イサムノグチが影響を受けたというJantar Mantar(Jaipurにて)。 左下にいるのは、一緒に旅行をしたルイジアナ州立大学の学生。階段を上るのがMax先生。

イサムノグチが影響を受けたというJantar Mantar(Jaipurにて)。 左下にいるのは、一緒に旅行をしたルイジアナ州立大学の学生。階段を上るのがMax先生。

 
さて、相談を受けた学生には、東京周辺の屋上緑化もいくつか薦めましたが、ついでに、新しく作られたランドスケープもいくつか一緒に薦めておきました。私自身がどのように、ランドスケープの良い場所を探すかと言うと、いくつかのコツがあるので、今回、紹介したいと思います。まず、第一は、現地で働いているランドスケープ関係の人に聞くということが言えます。さらに、自分で本やウェブサイト等を通して、事前に調べておきます。ここで便利なのが、以外にも皆さんが通常に利用する旅行ガイドブックです。そうです、日本で言えば、地球の歩き方が出す本です。最近では、日本を旅行する際は、反対に外国のLonely Planetが出版するJapanと言った題名の本を使うときがあります。そこには、日本人から見ることの出来ない新たな視点や場所が簡潔に載っているからです。

また、ランドスケープ関係の本を調べます。特に便利なのが、The Garden Bookです。この本は、約千円と、とても安価ですし、コンパクトさが気に入っています。基本的に、デザイナー別に世界の庭園が載っていますが、特に巻末の国別に整理されているリストを私は愛用しています。海外旅行する時に便利なのですが、日本の庭園も載っていますので、これを参考にして、ぜひ皆さん、著名な庭を訪ねてみてはいかがでしょうか?英語があまり得意でなくても、写真がとても綺麗なので、ランドスケープ・緑地・庭園・園芸などを勉強する人が自分で持っていて後悔しないと思います。

また、京都の庭園や日本の庭園を廻った際は、以下の本を参考にしました。きっと、他にも、もっと良い本があるのかもしれません。いくつか載っていない庭園もあるので、もしこの手の本に詳しい方がいれば、お勧めの本を教えてもらえると助かります。

屋上緑化の場合は、以下の本に、技術的な事から事例まで載っているので、参考にしています。

Japan Green Roof Book 建築緑化入門

建築緑化入門


百聞は一見に如かず、とよく言います。ランドスケープも実際に見に行くことが一番勉強になります。これは、研究する人でも、デザインする人でも、施工者でも、学生でも同じだと思います。

関連記事

Advertisement

2 comments

  1. 素晴らしい事に取り組んでいらっしゃるのですね~
    私も世界各地へ行き公園、庭園など沢山見学しました。やはり、ロンドン近郊は都市景観の中に公園、庭園が上手くマッチして一番好きです。田口さんおすすめの本を持っていけばもっと良かったです。私も庭園を見ることが大~好きで、その周りの風景もとっても気になるほうです。

    先日聞いた話ですが、京都 円通寺の付近が京都市によって開発が許可され、せっかくの庭の借景(いい言葉ですね!)が変わってしまうかもしれないとのことで、大変残念に思ったことと、理解に苦しみました。景観の美しさを保存しない日本なのです。経済発展に力点を置き、どっちも中途半端
    な気がします。

    私のブログに、ロンドンの写真集(今年Wimbl;edonテニス
    大会に行ったシーンも入っています)のでよろしかったら、
    お暇な時にでもご覧ください。
    http://blogs.yahoo.co.jp/daimajin_916/16346767.html

  2. Taguchi より:

    イギリスには行った事がありませんので、いつかロンドンに行ってみたいと思っています。特に、ウィンブルドンの芝のコートには憧れています。ロンドンに行くことになったら、アドバイスを伺おうかと思います。

    また、京都の円通寺は、本当にいいですよね。比叡山を借景に取り入れた庭園は見事です。後水尾天皇の関わった修学院もこの円通寺も、非常に素晴らしいです。借景という技法は、日本特有の庭園技法で、英語では直訳的にBorrowed Sceneryと呼ばれています。購入して頂いたThe Garden Bookにも円通寺は載っていますよ♪このような歴史あり重要なものは、後世の人たちにも伝えていきたいですね。

コメントを残す

Comments links could be nofollow free.