この本は、私が日本の大学時代に購入した本です。当時、この著者である都田先生の授業をスライド整理を手伝うと共に、聴講していました。その授業では、この本を読んでレポートを書く課題があり、この本を読みながらアメリカのランドスケープについて、期待感をふくまらせていきました。米国のランドスケープの分野について、あまり詳しくなかったので、少し距離感があったものの、この本に出てくるランドスケープアーキテクト達が語りかえる言葉は、とても新鮮で、わくわくするものがありました。
主な内容は、アメリカにおける5人の著名なランドスケープアーキテクトに対したインタビューが中心になっています。私は、Geraldine Scott氏については、あまり知りませんが、他の4人は、誰もが知るランドスケープ・アーキテクトだということは間違いありません。仕事に就いてからも、ときどき読み直すことが出来るくらい、気楽に読める本です。先日、Robert Zionのインタビューの章を読み直してみましたが、ランドスケープの専門家になった今でこそ、よく納得出来る箇所が多くあることに気づきました。私の好きな文章を以下に書き抜いておくことにします。
- ランドスケープ・デザインは、ランドスケープの豊かな環境のなかでデザインすべき。page128
- 偉大なデザインは他のものを見ることから生まれるのです。…言葉を変えていえば、なぜ旅行がそんなに大切かということです。page130,131 (写真集を見るのも良いと言っている。)
- これからの時代の大切な要素としては、「オープンマインドであることを禁止しないこと、率直な解決に向かうこと。また、インスピレーションの源泉が偏見、既成概念、宣伝によって妨げられないこと」page199
下は、以前に紹介したRobert ZionによるPaley Parkの記事です。
このインタビューを読むと、デザイナーの普段の生活の表情や考えが分り、とても面白いと思います。Robert Zion氏に関しては、ニューヨークのMoMAの庭園も設計おり、とても良いスペースなので、いつか紹介できたらと思います。
この本の中のインタビューの中で、当時からエコロジカル・デザインの思想がランドスケープ分野において語られることには、感心させられました。これからのランドスケープデザインを考えていく上でのヒントも、この中に隠されているのかもしれません。
次回は、Paley Parkについてブログをいくつか書きましたので、実は、これよりも素晴らしいポケットパークがあることを紹介します。そして、それは、米国の日本人によるデザインなのです。