前回に引き続き、もう少しペイリーパークの事について書くことにします。
ポケットパークという空間は、特に日本のような小空間な都市環境においては、有効な空間であると私は考えています。しかし、少し間違った位置にこの空間を作ると薄暗く、誰も入りたくなくなるような空間になってしまうのではないか?という疑問が生じます。今回、このブログを書くのを良い機会にでペイリーパークの位置について考察してみました。
まず、下の地図を見ると、この公園が南側が開けている位置にあることが分ります。
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さらにグーグルマップでストリートビューを見ると、東側の建物が2,3階建て程度に抑えられており、太陽の光を入れるように設計、もしくは規制されていることが分ります。午前中の時間には、ある程度、太陽光が公園の西側にある建物に反射し、十分な光が入ることでしょう。更には、建物自体も約8階まで白系の色のファサードにしており、より光を反射するようになっているようです。
最近、ライティングデザインの業務をすることがあり、光について考えたり、専門書を読む機会がありました。室内においては、北側の窓から入る光が優しく、心地良いという一般論があります。外の空間においては、私は、もしかすれば間接光、特に、今回のペイリーパークの場合においては、建物からの反射光、さらに木々の緑を通すという仕掛けが、とても人間にとって、心地の良い光を提供しているのではないか?と思っています。これは、今度、またニューヨークに行く機会があれば、ペイリーパークに立ち寄って自分で感じて確認出来たらと思っています。
また、コンクリートのプランターが配置され、季節感を感じさせてくれます。このような、小さな工夫が、ポケットパークの空間を豊かにするのでしょう。
上の写真のように、コーヒーやサンドイッチといったものが手頃な価格で手に入るというのも良いです。質素に作られているので、あくまでも、カフェという要素がこの公園のメインでない事を意図しているのでしょう。
小空間の限られた空間においては、立面を上手に使用する必要があります。このセイヨウキヅタ(Hedera helix 英名English Ivy)により、壁のハードな視覚を和らげています。更に、緑空間を増やしていますし、水との関係性も好感が持てます。
ペイリーバークのことは、以前にも取り上げた都市研究家William Whyte氏のThe Social Life of Small Urban Spacesというビデオや本にもケーススタディとして使われていました。このビデオ(以下のリンク)は古いですが、見る価値がありますので、ぜひ見てください。いかに公開空地をどのように設計すれば成功するのか、とても理論的に分かり易く説明されています。ディベロッパー、建築家、ランドスケープアーキテクトの方で、特に、密度の高い都市にプロジェクトがある方は参考にして頂ければ、コンクリートジャングルの都市に良い空間が生まれることは間違いないと思います。
The Social Life of Small Urban Spacesの動画
参考資料:
http://www.pps.org/great_public_spaces/one?public_place_id=69#
http://www.flickr.com/photos/wallyg/2275143935/in/photostream/
地震被災地Japanに身を置くものにとってこの小さな
都市公園はなんと癒されることでしょう。。木陰の演出が心憎く地面にできる模様がとても美しいのです。そして、下界の音を遮る、Waterfall まさに都会のオアシスですね。そして、公園への採光も考慮して設計され、その他にも市民に愛される要素が沢山。人間の心理まで考慮されているのですね~
ニューヨークに行く時は、ハイラインと共に
Paley Parkも訪れて撮影したいです。