「プロフェッショナルとしての時間管理、つまり仕事と私生活のバランスを上手く保つか?」
「限られた時間の中で私たちのデザインの質を上げる共に、クライアントが満足するプロジェクトをするか?」
最近、ランドスケープの仕事をしている際に、時間と仕事について考える機会がありました。この時間については学生時代にインターンをした頃からプロフェッショナルの仕事をしている現在まで、難しい課題だな。。。といつも思っています。
時間とランドスケープの仕事
デザインの仕事では、設計時間を多くかけたからといって、それがいつも最高に素晴らしくなるといった保証はありません。反対に時間が少なくしたから良いという訳でもありません。適度にバランスを取れた設計時間を見出し、計画・デザインをするという行為に、現在のランドスケープアーキテクトはチャレンジする価値があるのではないか?と個人的には思っています。
では、どのように時間を扱ったら良いのか?ということになりますが、それについては、まず私達ランドスケープアーキテクトの仕事の成り立ちを理解し踏まえる必要があるでしょう。
ランドスケープの仕事は、簡潔に表現すると、クライアントから依頼をもらい、それに対してランドスケープの観点からのソリューションを出すというサービスになります。そして、クライアントは私たちのソリューションやアイデアを含んだデザイン資料やサービスに対して設計料金を払います。この設計料と仕事の関係については、もしクライアント側の方であれば、私達デザイナーの精神的労働と言う時間を理解してくれると有難いですし、デザイナー側の人であればクライアントが報酬を払っているという時間を利用しているという事を大事にする必要があると思います。
日本にいた頃は、デザインの作業はいかに多くの時間をかけ、丁寧に質を上げるかという様な根気のある作業に取り組む機会がいくつかありました。この作業を根気強くやるという事も非常に大事なのですが、時と場合によっては、ある程度の所で見極めをつけてストップするという作業も必要になります。
アメリカのランドスケープ留学と仕事における時間管理
「いかに時間を有効に使うか?」
これがどうやらデザイン作業の根本的な課題であると思います。アメリカに来てからは、このTime Management(時間管理)に対しては、学生の頃から現在の仕事まで、私はしっかり叩き込まれつつあるようです。
ルイジアナ州立大学の最初のスタジオの先生のCathyにも、「あなた達は、どれだけ夜遅くまでやれば気が済むのですか?もし一生そのようにやり、暮らしたいなら、そのようにしなさい。私は、そんな事はしたくないけどね。」と言われたこともあるくらい、大学院の時から時間については考えさせることがありました。スタジオのプロジェクトの締め切りも前日に先生に提出し、その日はよく寝てとプレゼンに備えるといった具合な先生も多くいました。実務・仕事の面においては、プロジェクトに対して時間をかければかけるほど、デザイン予算を使用するので、ボスからは「予算内に収まらないぞ!」と忠告され、いかに時間内に終わらせるか工夫する時も多々あります。これは、クライアントの締め切りだけでなく、プロジェクトを終わらせる目処をつけるに役に立つと思います。
どのようにしたらよいのか?その答えの一つはコンピューター技術
米国で仕事をしていて、日本のランドスケープデザイン関係の友人から、どうして私達に比べて残業を多くせずに仕事が出来るのか?と聞かれたこともありますが、やはりその答えの一つとしては、ランドスケープのデザイン・プロセスにおけるコンピューターテクノロジーの発達にあると思います。以前までは、上手くドローイングができる、モデルを作ることが出来るといったシンプルな技術が必要とされていたのですが、現在のデザイナーは、それらと共に、コンピューターを道具として上手く使いこなし、その技術を活かす必要が出てきたと思います。以前まで、何日もかかった作業があっという間に終わらせることが出来る可能性もデザインプロセス自体ではあり得るのです。
このコンピューターという点においては、若い人ほど吸収が早いですから、デザイナーの方であれば、これを武器にして仕事をこなしたり、学生の方であれば、こんな技術を持っていますということを宣伝にして就職探しもするのも良いかと思われます。
今回、いい機会ですから私が普段使いこなす、さらには重要だと思う技術をメモしてみました。一応、学生の人のため、学生のうちから使いこなしておくことがあるべきコンピューター技術については*印をつけておきます。
コンピューター関連の技術
- Photoshop**
- AutoCAD**
- Illustrator**
- Word**
- Excel**
- PowerPoint**
- SketchUp**
- InDesign*
- GIS*
- GoogleEarth*
- Bridge
- Outlook
- FireFox
- Mcolor
- Acrobat
- Flash
- (Dreamweaver)
- (3D-Max,View,Rhinos)
- (Bluebeam)
- (LandF/X, Civil 3D etc…)
米国に着てから約7年になりますが、この間に、すごい勢いで技術は発達したなぁと関心してしまいます。仕事をしてからも、新しいソフトを使ってみたり、自己努力をし、磨きをかける必要があるかと私は思います。誰かに教えてもらうと言うより、この手の入門書を読んでみても良いですし、ウェブにあるチュートリアルを見て自分で学ぶのが良い方法でしょう。
最近のインーターンの学生はどうやら昔からの伝統的な技術の獲得に疎かになりがちなので、もちろん、この基礎技についても、きちんと身に付けておくと良いと思います。。
基礎技術
- ドローイング・スケッチ(平面図、立面図、断面図、パース、デイテール)
- モデル(3Dモデルではない、実際のモデル)
- コミュニケーション(グループでのコミュニケーション、意図の確認など)
- 環境要素、植物などの知識
- 施工方法の理解
- プラニングの知識
などなど
結局、いかに辛抱強く、切磋琢磨するか。常に勉強し、アップデートする。さらに、ちょっとしたら熱意があれば、いつか上手くバランスをもった時間を使えるようになるでしょう。
このブログは、またいつかアップデート出来れば良いと思いますが、もし読んだ人で何か質問があれば、気楽に連絡してください。