Posts Tagged ‘コンテンポラリー’

Promenade Plantée パリの空中公園は地上の公園へと繋がる

3月 11th, 2010

ブログ「Promenade Plantée パリの空中公園」の引き続きです。今回は、なぜこのパリにある長距離の緑空間(公園+緑道)が素晴らしいか?説明したいと思います。その理由は、この緑の繋がりは、ある地点にに来ると、伝統的なフォーマルな空間からコンテポラリーな公園へと変化する魔法のような緑空間にあるのです。
 
前回に紹介したように、Promenade Plantée(プロムナーデ プランテー)の緑道部分は、クラシックかつフォーマルな様式を取り入れた公園です。これらは、パーゴラ柱やアクシス(中心軸)を意識した長方形をした水盤などのランドスケープ・エレメントに忠実に表現されているかと思います。

深緑色をしたトレリスと球盤

バラを絡ませた深緑色のトレリスと球盤

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High Line Park – 総括 – 荒廃した高架。そこに敷かれた砂利の間から生えた草。全ては、ここから始まった。

1月 22nd, 2010

現在、ニューヨークのアイコン的な公園になったThe High Lineだが、2001年当時は貨物列車が使用しなくなってから約20年が経ち、市長のジュリアーニの了承の下に、取り壊しまで後1ヶ月という寸前の危機に直面していた。
その取り壊しに関する自治会(Community Board Meeting)で、ある二人の住民が出会うまでは。。。

この二人の名前はJosha DavidとRobert Hammond。後に、非営利団体のThe Friends of High Lineを作ることになり、このThe High Lineの貨物列車高架の保存を唱え、その上に公共空間があることを想像しました。彼らが始めた草の根運動は、アーティスト、芸能人、企業家、政治家を含め、少しづつ大きな運動に発展します。

その願いは市長選の政策課題に取り上げられ、遂には、市からの公共空間としての利用許可が降ります。そして2003年にThe Friends of High Lineを中心に、この公園を作るきっかけにもなる国際コンペを開くまでに至りました。現在は、The Friends of High Lineは、運営管理に積極的に関わりつつ、そのコストの約7割の資金を補う為の、多大な献金を集める中心的な存在になっています。

今回は、総括としてthe Friends of High Lineが多く使用しているYouTubeを活用して、一連の事がわかる画像を紹介します。もちろん、実際に皆さんには行って欲しいのですが、少しはこれで体験出来たらと思います。英語ですが、少し分からなくても、どれも楽しめると思います。

まずは、全体的なHigh Lineの内容がわかるビデオ。映画「アメリカンヒストリーX」で有名なEdward Norton(ニューヨーク市民)が出てたりします。



The High Line公園の全体の流れ

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High Line Park – 宙から車を眺める屋外シアター

1月 13th, 2010

しばらく時間を空けてしまいましたが、またHigh Line Parkの続きを紹介したいと思います。この公園は、意外と見所が多いのです。

そのThe High Lineのメインとなるのが、Amphitheater(屋外シアター・劇場)です。何と、このAmphitheaterは、公園の下を通る車の交通を眺めるというものです。

Amphitheater - 屋上公園の下を通る車の交通を眺める。

Amphitheater - 屋上公園の下を通る車の交通を眺める。

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High Line Park – 屋上公園 -ここは宙に浮かぶ公園、けれど建物を潜り抜ける

12月 18th, 2009

High Line Parkをさらに奥へ歩いて行くと、建物を潜り抜けることになります。この公園はもともと線路高架の上に造られた、つまり簡単に言えば、屋上に存在するのに、さらにその上に構造体が存在し、トンネルのように穴の開いた空間を利用者は通り抜けて行く事になります。この行為は大変面白いものです。最初に私が通り抜けた建物は、象徴的なモダンな外観を持つブティックホテルのThe Standard Hotelです。

公園は建築をくぐり抜ける。建物は、Andre Balazsが経営するブティックホテルのThe Standard Hotel。

公園は建築をくぐり抜ける。建物は、Andre Balazsが経営するブティックホテルのThe Standard Hotel。リズム感のあるガラス窓のファサードがいい感じ。

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High Line Park – 屋上公園 -空を歩くかの如く。

12月 12th, 2009

このニューヨークのHigh Line Parkの面白いところは、現在を象徴するようなコンテンポラリーな雰囲気を思いっきり反映させたところです。
前回説明した入り口の細長い階段を上って行くと、空を突き抜けるような広々とした開けた空間が現れます。この狭くて薄暗い空間に対して、空と緑の明るく広い空間の対比が利用者にとても新鮮な印象を与えているようでした。そして少し驚かされるのは、この公園の特徴と言うべき、ペーブメント(舗装)が緑に編みこむようにギザギザ状になっていたり、舗装が立ち上がりつつベンチになっていたりと、多くの場所に現代風の解釈を取り入れつつ設計されたランドスケープエレメントです。これらは、人々にアート感を与えだけでなく、このNYマンハッタンという場所を表現するような、活きを個人的に感じました。少しベンチは、KBASのペンタゴンメモリアルのデザインの類似点がありますが、サイトファーニチャーで個性を出すのは、なかなか難しいので今回は良しとしましょう。

Gansevoort Woodland-HIgh Line Entrance

長い入り口の階段を上っていくと、周辺の都会の雰囲気とは異なり、別世界。

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High Line Park, New York- 新しい時代の公園

12月 7th, 2009

私は、仕事の延長上と個人的な趣味を兼ねて、いろいろなランドスケープや建築を見たり、観察したりするのが大好きです。「一見は百聞に如かず」と言う言葉を、モットーとして多くの場所に実際に行くようにしています。
さて今回は、今年の6月にオープンしたばかりのHigh Line Parkを紹介したいと思います。以前からこの公園の事は、ランドスケープの雑誌やASLAの記事なので読んだことはあったのですが、このデザイン事務所のField Operations自体が結構新しい会社ですし、私自身、実際に彼らの作品を見たこと無かったという事もあり、あまり気にしていませんでした。
ところが、NYに旅行した(私はテニス好きでUS OPENを見に行った)際に、偶然、チェルシーマーケットの近くに、変わった屋上緑化らしいものを発見。よく見れば、それがHIgh Line Parkでした。

HIgh LIne Park 最南端のエントランス

HIgh LIne Park チェルシーマーケット近くの最南端エントランス


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