Posts Tagged ‘公園’

Greenacre Park ポケットパークのディテールを観る

4月 26th, 2011

以前紹介したGreenacre Parkの続きになります。7年前に私のLSU大学院のMax先生と学生達と一緒にフィールドトリップで、この公園には初めて訪れました。そのとき、ハーバード時代のMax先生の先生が、この公園の設計担当をしたKinoshita氏らしく、いろいろと話してくれました。その話によると、Kinoshita氏はサーリネンの事務所で働いていた時に覚えた、実寸スケール、つまり1:1のモックアップをこの公園の施工時にやったそうです。ですから、この小さな公園には、多くのディテールも見応えがあります。マテリアルの使い方も、アメリカらしい力強さを感じさせつつ、石という日本的な素材も多くに使われています。まず最初に注目したいのは、エントランス部には、彫られた御影石にエッチングによるとてもシンプルなサインとトレリスです。

Greenacre Park Entrance Signage

シンプルなサイン(公園看板)と繊細な緑陰


よく観るとその上には、このような言葉が書かれています。

» Read more: Greenacre Park ポケットパークのディテールを観る

これぞ、最高のポケットパーク! Greenacre Park (グリーンエーカーパーク)

4月 19th, 2011

以前のブログで、ポケットパークの先駆けとなったPaley Parkを紹介させて頂きました。今回は、私が知っている限りで、最も素晴らしいポケットパークを紹介します。その公園は、ニューヨークのマンハッタンに所在し、名称はGreenacre Park(グリンエーカーパーク)と言います。皆さん知らないでしょうが、日系アメリカ人のランドスケープアーキテクトによって設計されたものなのです。当初、公園はAbby Rockefeller Mauzé(John D. Rockfellerの孫)によって創設されたGreenacre Foundationが、ランドスケープの事務所、Sasaki Associatesに依頼し、そこの所長(Principal)をしていたMasao Kinoshita氏によって設計され、1971年に開園に至ったという経緯があります。

Greenacre Park

Greenacre Parkを道路側から眺める。「この中に入ってごらん!」と、街の人々を魅了しています。

» Read more: これぞ、最高のポケットパーク! Greenacre Park (グリーンエーカーパーク)

Paley Park ペイリーパーク 都市の小さな緑空間

3月 28th, 2011

前回に引き続き、もう少しペイリーパークの事について書くことにします。
ポケットパークという空間は、特に日本のような小空間な都市環境においては、有効な空間であると私は考えています。しかし、少し間違った位置にこの空間を作ると薄暗く、誰も入りたくなくなるような空間になってしまうのではないか?という疑問が生じます。今回、このブログを書くのを良い機会にでペイリーパークの位置について考察してみました。

まず、下の地図を見ると、この公園が南側が開けている位置にあることが分ります。

View Larger Map

さらにグーグルマップでストリートビューを見ると、東側の建物が2,3階建て程度に抑えられており、太陽の光を入れるように設計、もしくは規制されていることが分ります。午前中の時間には、ある程度、太陽光が公園の西側にある建物に反射し、十分な光が入ることでしょう。更には、建物自体も約8階まで白系の色のファサードにしており、より光を反射するようになっているようです。

柔らかな光と緑 Paley Park

柔らかな光と緑

» Read more: Paley Park ペイリーパーク 都市の小さな緑空間

Paley Park ペイリーパーク ポケットパークに価値を見つめる

3月 22nd, 2011

先日、事務所のライブラリーでTrees for Architecture and the Landscapeという題名の古い本に偶然出会いました。よく見ると、著者はRobert Zion。そう言えば、お世話になった都田先生はよくRobert Zionの話をしていたなぁと学生時代のことを思い出しました。彼は、ニューヨークのポケットパークの元祖、Paley Parkを設計したことで有名なのですが、私個人的には、先生がスライドで見せてくれた彼のライフスタイルに学生時代は憧れた記憶があります。とにかく、彼の事務所は週4日働けばよく、更には、彼自身は馬で出勤するというものだったのですから。。。

彼のように優雅なライフスタイルをすることは、私個人、そして現在の働く人達にとって、とてもチャレンジであることは間違いないでしょう。しかし、そこまでの生活スタイルまでには、いきませんが、自分の好きな仕事をできる環境があることが、とても恵まれたことなのかもしれません。そして、それを可能にしてくれる、良きクライアントやコンサルタントの人達と働き、周りの人からサポートがあることは、本当に感謝すべきことなのだと最近は思っています。

さて、話を元のRobert Zionに戻して、彼の本との出会いを祝し、皆さんにポケットパークの好事例と称される、Paley Parkを紹介したいと思います。

Paley Park Fountain

Paley Park ペイリーパークので寛ぐ人たち。Honey Locustの木々からの木漏れ日が心地よい。

» Read more: Paley Park ペイリーパーク ポケットパークに価値を見つめる

ブライアントパーク 安全な公園を目指して

10月 26th, 2010

前回のブライアントパークの続きです。この公園の成り立ちを辿ると、少し興味深いものがありますので、簡単にですが、この公園の歴史を紹介させていただきます。

1884年Crystal Palaceの焼失した跡地に出来たReservoir Squareを、ブライアントパークと名づけ公園にしたのが始まりです。そして、この公園に隣接して、1911年にはNew York Public Library(名建築の一つ)が出来ます。1920年代には、地下鉄工事の作業現場になり、その後、1934年に新しく芝生を中心とした公園に再設計されます。

ブライアントパークとニューヨーク州立図書館

1900年初期のブライアントパークとニューヨーク州立図書館の様子を描いた絵


 
しかし、この上にある絵とは現実は異なり、 » Read more: ブライアントパーク 安全な公園を目指して

Bryant Park(ブライアントパーク): ニューヨークの都市公園

9月 20th, 2010

毎年、9月の初旬(Labor Day Weekend)になるとニューヨークを訪れるというのが、ここ数年の私の恒例イベントになっています。このニューヨーク旅行は、テニス好きな私が大変楽しみにしている、全米オープン(世界四大大会の一つ)を見に行く為です。大抵、丸一日はテニス観戦をし、他の日は、大学時代の旧友に会ったり、美術館などを回ったりします。マンハッタンにある新しいランドスケープ・建築・まちなみ等を見ることは、デザイナーとしての自分に良い刺激を与えてくれます。
 

Bryant Park (ブライアントパーク)

Bryant Park (ブライアントパーク)


 
さて、ニューヨークには、東京のように見所がたくさんあるのですが、その中でも私が大変気に入っている公園が、このBryant Park(ブライアントパーク)です。都市の一角に突然現れる、明るい緑の芝生のオープンスペース。 » Read more: Bryant Park(ブライアントパーク): ニューヨークの都市公園