ランドスケープ用語集

このページは、ランドスケープアーキテクチュアに関わる用語集です。

公園|Park
近隣の小さな児童公園から国立公園のような自然景観を保護した大きなものまで、様々なスケールの公園がある。ただ、共通している点は、「人々の為の憩いや利益」といった社会的価値観を持っている。ランドスケープアーキテクトの職種も、この公園といった公共のスペースを計画、設計することから始まった。公園は、自然地形からつくられる時もあれば、都市の埋立地や構造体の上といった人工的な場所に作られることがある。そして、それは周辺の不動産価値を上げたり、観光の集客要素と言った経済的要素も含む。

屋上緑化|Green Roof
環境、エコロジー、サステイナビリティの言葉から連想される象徴的な存在。建築とランドスケープが触れ合うところであり、時には景観を調和し、美しい空間をつくることができる。主な効果として、以下が挙げられる。

①Stormwater Management 雨水管理・水質改善・都市型洪水の防止
②Biodiversity 自然回復、生態系の保全。生物多様性の補助。
③Aesthetic Improvement 景観・美観の向上
④Reduction of the Urban Heat Island Effect ヒートアイランド現象の緩和
⑤Improved Air Quality 大気汚染物(NO2, NOx, SOx, CO2等)の吸収による大気浄化
⑥New Amenity Spaces 未利用スペースの利用による経済的寄与。利用者に対しての癒しの効果。
⑦Building Energy Efficiency 省エネルギー効果 遮熱による建物の
⑧Waste Diversion 建築物保護による屋根の防水層や断熱材としての効果による冷暖房の長寿命化や、リサイクル素材の利用による廃棄物量の緩和。

登録ランドスケープアーキテクト|RLA (Registered Landscape Architect)、PLA(Professional Landscape Architect)
ここでは、米国におけるRLA(登録ランドスケープアーキテクト)を紹介します。
RLAは、ランドスケープアーキテクトとしての十分な知識・技術・能力があること示すライセンスです。
米国のほとんどの州では、Licensure Laws(ライセンスに関する法律)により、ランドスケープアーキテクチュアに関する業務遂行、さらには、ランドスケープアーキテクトと名乗ることは、RLAライセンスの保有が無い場合は違法となります。つまり、ランドスケープアーキテクトの仕事は、公共のhealth, safety and welfare(健康・安全・福祉)やenviroment(環境)に関わる重要な業務ですので、そのRLAの持つ専門職の人達がするべきという発想があります。法律に関しては、実際、州ごとにランドスケープアーキテクトに関してPractice Actを当てはめるか、Title Actを当てはめるか定めています。(ASLAによる2009年度の地図を参照。)Practice Actの設定された州では、ランドスケープアーキテクトと名乗る、かつ業務をする両方がRLAのライセンス無しでは禁止されています。Title Actの州では、ランドスケープアーキテクトと名乗るは禁止されていますが、ランドスケープアーキテクチュアの業務を行うのはよいとされています。ASLAでは、現在、全ての州にPractice Actを採用してもらうことを目指しています。参考地図
また、2011年以降、ASLAでは、州によって、RLA(Registered Landscape Architect)、LLA(Licenced Landscape Architect)と等、使っている人がいることから、ランドスケープアーキテクトのイメージを統一化し、普及・振興させるために、PLA(Professional Landscape Architect)を使うことを推奨しています。例えば、自分の名刺には、Masahiro Taguchi, PLA, ASLAと書かれています。詳しくは、PLAに関する記事は、以下のページを参考にして下さい。
<PLAに関する記事>
http://www.asla.org/uploadedFiles/CMS/Government_Affairs/Public_Policies/Licensure%20Universal%20Designation.pdf
http://www.asla.org/land/LandArticle.aspx?id=33951

日本のRLAは、現在のところランドスケープアーキテクトを使用についての法的規制はありません。
このRLAに関する内容は、一回記事にしたいと思います。

フロリダにおいては、二年間に一度の更新の度に、CEU(Conditueing Education Credit)、いわゆる会議の講義などを受けて継続教育を16Credits(約16時間)受ける必要がある。その中には、Law and Regulationと言った法的な授業を受けるといった義務規則も含まれます。これらの多くは、ASLAの会議などに行く、もしくは、ウェブ授業を受ける、製品会社の授業を受ける等といった方法で、継続教育を受けることになります。更新料は、2014年現在フロリダで、個人で、二年間に一回で305ドル、会社・事務所で455ドルになります。各州の情報は、以下のページで州を選択し、Practice Act Summary w/ Regulationsから情報を得ることが出来ます。
http://www.asla.org/StateGovtAffairsLicensure.aspx

アメリカのランドスケープアーキテクトの資格の試験費用は、Section 1と2が325ドル、Section 3と4が、500ドル、更に州の試験(フロリダ)が382ドルとなり、約2000ドル必要になります。試験に落ちると、再度受けなくてはいけないので、もっと費用がかかることになります。EDSAの事務所では、最初に受ける試験の費用と時間は、事務所が出すようになっています。
また、費用関連のことで言えば、アメリカの造園学会、つまりASLAの費用に、年間335ドル、さらにFlorida Chapterに115ドル払っています。ただし、これは、ランドスケープの資格を保持するのに必須ではありません。自分の場合は、この費用も、ランドスケープの資格を取った後は、事務所から払ってもらっています。

ランドスケープアーキテクト| Landscape Architectの由来
1863年に、Frederick Law OlmstedとCalvert Vauxのセントラルパークの仕事を記述する為に、ニューヨークの公園理事(New York pak comissioners)が、ランドスケープアーキテクト(Landscape Architect)という言葉を採用したといわれています。(Newton, Norman T. Design on the Land: The Development of Landscape Architecture. Beklnap Press, 1971.)
セントラルパークは、アメリカの公園を象徴する傑作作品であり、荷馬車、乗馬、歩行者などの交通循環を別々に分け、安全かつ効率化を図り、更には、景観’・環境の配慮を行うと共に、300万立方ヤードの土の切り盛りをし、27万の木や潅木の植栽を施した大事業でした。(The Park and The People: A History of Central Park.)

参考ウェブサイト:
CLARB(Council of Landscape Architectural Registration Board)
ランドスケープアーキテクトのライセンスに関する試験、専門職としての業務範囲と権限に関するスタンダードの設定・促進を行う委員会のウェブサイト。

ライティング
実務において、ランドスケープライティングと建築のファサードライティングに関わることがあります。ライティングデザイナーとコラボレーションすることが多いが、プロジェクトの規模や種類によっては、ランドスケープアーキテクトがデザインする必要があるので、日ごろから関心をもっている必要がある。照度(Illuminance, Photometry)や色温度(Color Temperature)を理解するのが重要だと思っています。基本的な良いデザインは、実際のライト源(電球のバルブ等)を見えないように隠すことだと言われています。
<参考文献>Graphic Guide to Site Construction, p64-77 基礎が簡潔によくまとまっている。

ブラウンフィールド(Brownfield)
米国において土壌汚染、地下水汚染された土地のこと。不動産的に低資産であり、土壌を改善する為に費用がかかる為に、塩漬けになっている土地が多い。ランドスケープの立場からでは、これらをバイオレメディエーション(Bioremediation)を用い、微生物、菌類、植物による土地を浄化し、改善することが望まれる。アメリカのE.P.Aによると、土地改善後の住宅地の価値は、2-3%上昇するという結果が出ている。

From Industrial Wasteland to Community Park from ASLA on Vimeo.

雨水管理・ストームウォーターマネジメント(Stormwater Management)
近年、水循環を、もともと自然があった状態のようにして、管理していくことが重要です。日本ではゲリラ豪雨、洪水などにより、都市の地価インフラが限界になりつつあるようです。ランドスケープの立場からの解決策として、レインガーデン・バイオリテンション、透水性舗装、屋上緑化、壁面緑化、バイオスウェールなどの方法が挙げることが出来ます。これらは、通常の配管による土木インフラに比べて、グリーンインフラ(Green Infrastructure)と呼ばれ期待されています。また、普通に常緑やコニファーの木を植えるだけでも、35%の雨水が舗装面に直接落ちるのを防ぎ、雨水流出遅延効果があります。

Leveraging the Landscape to Manage Water from ASLA on Vimeo.

上原敬二

本田静六

随時更新予定。

2 comments

  1. より:

    とても興味深く読ませていただきました。

    米国の大学院でMasterをとり、その後、フロリダにて活躍しているプロのランドスケープアーケテクトによるブログ。。Websiteを除いても、他に例がないような気がします。

    日本ではあまり認知されていないランドスケープデザインのことが このようなサイトを基点にして 理解が深まっていくような気がします。

    また、これから米国に留学してLandscape Architectを目指す人への支援サイトだけでなく、貴重な情報源になる予感がしています。 

    今後の活躍をこころより祈っています。

  2. Taguchi より:

    少しづつですが、皆さんの役に立つような情報を提供できれば幸いです。
    随時、更新する予定ですので、またランドスケープデザイン日誌を読みにきてください。

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