ランドスケープQ&A集

ランドスケープに関するQ&A集

米国のお勧めのランドスケープの大学院を教えてください。

あくまにでも、参考ですが、米国のランドスケープ学科のランキングを参考にしてください。
http://www.landscapearchitect.jp/journal/education/keikan35
Harvard University, Cornell University, University of Pennsylvaniaはアイビーリーグで、学費が高いので、そのことも考慮に入れてください。個人的には、大学卒業し就職してから学ぶことは、学生時代よりも多いので、就職を目標にして大学院にいくのが良いと思います。また、今後の就職などを考えると、仕事が多くあるテキサスなども、良い大学院の選択肢だと思います。

ランドスケープ・デザインをする際に、どのソフトをよく使いますか、もしくは学ぶ必要がありますか?

必須のコンピューター関連の技術

【デザイン系】

  • AutoCAD**
  • Photoshop**
  • Illustrator**
  • SketchUp**
  • InDesign**
  • Rhinoceros←現代の有機的な構造を3Dで表現するのに良い。私は上手に使いこなせませんが、使いこなしたいソフトです。
  • GoogleEarth*
  • GIS
  • Bridge
  • 3D-Max
  • AutoCAD Civil 3D ←Cut and Fill Calculation, Slope/Elevation Analysis, Section Cut
  • LandF/X etc…
  • Bluebeam Revu←実務レベルでのコーディネーション。AcrobatPDFより、大変便利。
  • (SketchBookPro)
  • (WaCom Tablet)
  • (Dreamweaver)
  • (Visual-3D)
  • (Flash)
  • (Mcolor)

【一般】

  • Word**
  • Excel**
  • PowerPoint**
  • Outlook
  • Acrobat
  • Chrome (もしくは、FireFox)

米国のランドスケープの大学院は2年ですか?3年ですか?

基本的には、ランドスケープ・建築などのデザイン関連の学歴や経験を持っている方は、2年になります。その他の方は、3年になります。これは、大学や個人によって、異なりますので、大學に問い合わせてみてください。私の場合は、デザインの経験があまりあった訳ではありませんが、コロラドに一年間した留学なども含めて、2年で卒業できるように、学科長と交渉しながら、2年で卒業しました。きっと、大學に長くいるという気持ちは無く、早く実践したいと思っていたのでしょう。

文系大学卒でアメリカのランドスケープアーキテクチャーの大学院に行くことは無理なのか

デザインのバックグラウンドがない場合は、三年間のコースが用意されています。学部生ほど、じっくり学ぶという形では無いですが、しっかりと基礎から学ぶことが出来ます。大学によっては、デザインバックグラウンドがあっても三年間を要求する米国大学院もあります。個々の大学によりますので、大学の責任者の教授と、きちんと交渉しましょう。また、デザインバックグラウンドがあっても三年間じっくり勉強したいという方もいます。

他の分野の学部卒(建築・ランドスケープ・デザイン系以外)なのですが、米国の大学院を受けようか、学部を受けようか迷っています。

私としては、「必ず大学院の入学をチャレンジして下さい。」というのが本音です。米国のランドスケープの大学院は、他の分野を学んだ人でも大学院に行けます。ほとんどの大学院では、同じような境遇の米国人の学生に多く会うと思います。また、その後の進路のことを考えると、就職時に「なぜ、この人は大学院に行かなかったのか?」という印象を与えかねません。日本の大学や大学院とは異なり、きちんと基礎から技術を教えてくれますので、ぜひ大学院にチャレンジして下さい。

留学の際に、何校ほど申し込んだらいのでしょうか?
数は自由ですが、米国の大学に入るチャンスは、TOEFLなどの最低条件さえクリアされれば、どこにでもあります。多くの大学に申し込んだら良いと思いますが、初めての場合は、最低5校ほど申し込んでみて、その中から、学費、奨学金、場所などの条件を考慮して、一番の条件がでた大学に行くのが良いかと思います。

わたしは英語が苦手で、こんな自分がほんとうに留学なんてできるのかととても不安に思っています。またTOEFLの勉強方法が分かりません。

特に日本人の場合は、得意と言っている人を聞いたことがないほど、皆さん、同じことを言います。私も別に得意かといえば、そうでないでしょう。しかし、この事に関しては、それなりの勉強方法で続けていけば、アメリカで働ける程度になるとは思います。アメリカは移民の国ですから、そういう人たちがたくさんいますし、それを受け入れています。反対に、これからはグローバルな社会や仕事環境を考えていけば、専門分野ができ、英語で他の国の人たちコミュニケーション出来る人材は、もっと求められていくようになるでしょう。

TOEFLは受験英語とは、まったく別の試験ですから、まず最初に試しに受けてみてはいかがでしょうか?ほとんどの人が、この試験対策が上手く出来ずに留学を諦めていきます。私も含め、こちらの外国人留学生は、TOEFL専門の塾のようなものに通った方が多くいます。それも一つのやり方だと思います。この点さえ取れれば、留学するのは簡単だと言っても過言ではありません。本気で留学する気であれば、今すぐに留学の計画を立てて、TOEFLの勉強を始めてください。ランドスケープの勉強は、二の次でもOKです。米国のランドスケープ学科は、一から丁寧に教えてくれ、日本とは比較にはならない程、良い教育をもっていると私は信じています。(特にデザイン・計画、ランドスケープアーキテクトを目指すにあたって)

田口さんはTOEFLやGREでかなりの高得点を取られましたか?
そんなことはないです。TOEFLも大学卒業後に何とか点を取りました。GREも一回受けただけです。数学で点が取れましたが、全体の得点はさほど良いものではありませんでした。知人には、TOEFLの点が最低条件に満たなかったが、在学中にTOEFLの点を取れば良いという特別条件で入学した学生もいました。あまりお勧めはできませんが、ランドスケープはデザイン系ですので、それでも良いという大学もあるかもしれません。その際は、学科長と上手く交渉するのが良いと思います。

TOEFLの点で悩んでいます。どうやって勉強したら良いですか?
さて、TOEFLの件ですが、留学したいという気持ちが本気であれば、それを専門にした塾に通うのをお勧めします。お金はかかりますが、早くテストに必要な技術が身につくと思います。大学受験の際の予備校のような扱いで、多くの人が通うものです。私も点数がなかなか取れず悩んだ末にTOEFLゼミナールに、一・二学期間ほど通いました。海外の留学生の多くは、この手の専門の塾に通って、米国に留学する人が多くいるのも確かです。中国には、ニューオリエントという塾のような教育機関があり、そこに大勢の学生が通い、満天近い点数を出していると言うのも有名な話です。実際の英語力とは、少し別なものと考え、まずTOEFLで留学出来るようにし、その後、留学してから実際の英語を身につけていくというかたちでも良いと思います。準備期間は、時間はかかりますので、最低半年、普通であれば一年以上を目安に留学準備をするのが良いと思います。また、私が勉強した本(類似版、最新版)でお勧めのものはこちらで紹介しておきます。また以前のブログでも留学関係の本を載せました。


洋書の本は、大学院受験の際に使用しました。テスト慣れするという意味で、Kaplan,Barrons等のTOEFLの問題集を使用しました。
トフルゼミナールの本は参考書代わりに、分野別の本を買い勉強しました。また、最初に下のような本も読んでおくと良いと思います。大学の英語受験とは、異なるものであると捉えましょう。

アメリカの大学院ランドスケープアーキテクチャー修士課程の入学に必要な書類の一つ,ポートフォリオに関して具体的に教えていただきたいです。いくつかの大学院のサイトのapplicationを見たのですが,ポートフォリオに関してはよくわかりませんでした。

ポートフォリオは、自分のクリエイティビティーを示すものです。基本的には、スケッチ、写真、その他、デザインにかかわるもの、または、自分がしてきた研究などをいれてまとめたものです。(卒業論文など科学的なものを入れても良いですが、アメリカのランドスケープアーキテクチャー学科は、計画・デザインが主ですので、それに対応したポートフォリオにした方が良いと思います。)特にデザインバックグランドがあるのか、無いのかを判定するものです。それによって、あなたは2年のコース、もしくは3年のコースへと振り分けるものです。

建築士の資格がなくても独立できるのか

私が今のところ独立していませんので、私の知っている見解を、資格と独立について述べさせて頂きます。米国ではランドスケープアーキテクトは国家資格なのですが、日本では建築士のように国家資格ではありません。米国外のほとんどの国がランドスケープ・アーキテクトの国家資格が無いというのが現状のようです。また日本の場合は、技術士、建築士などといった国家資格をもったランドスケープアーキテクトの方が多くいらっしゃいます。国家資格ではありませんが、認定ランドスケープアーキテクトの資格もあります。
独立に関しては、仕事とクライアントがいれば、独立できますので資格は関係ありません。しかし建築業界の景気に影響するのも事実だと思います。稀にみる好景気の中国では、私の知人の若いデザイナーが多く独立しています。米国では独立した人もいますが、不景気の日本の若いデザイナーは事務所や大手建築ゼネコン等でデザイン活動を行うことが多いようです。

大学院卒業後はできれば日本に帰りたいと考えているのですが,日本で働く場所はあるのでしょうか?日本の大学院を訪問していた際にある先生から「ランドスケープ関係の仕事はいま日本では非常に厳しいよ.ほんとにしたいなら発展途上国に行く覚悟が必要だよ」と言われました.これは本当なのでしょうか?

これは、実力しだいです。特に、日本のランドスケープを含む建築業界は、とても良い状態とはいえません。この分野が好きな人に働くことをお勧めします。ただし、日本のランドスケープデザインに関わる人の多くは、アメリカの大学を出た人が多いですから、それが有利に働くこともあるでしょう。日本の先生の多くは、実務をしたことが無いので、あまりあてに出来ません。中国といった経済の状況が良い国に仕事がたくさんあるのは事実ですが、これはランドスケープに限ったことではありません。それであれば、英語を自由に使い国に区別なく仕事ができたほうが、将来、良い道が開けるのではないでしょうか。英語が出来る若手ランドスケープアーキテクトを紹介して欲しいと、相談されたこともあります。
私の場合はは、有名大学のランドスケープデザインの名がついた研究室のある教授から「うちの研究室に入ってもランドスケープアーキテクトには慣れないよ。運が必要だね。」と日本で大学院を探していた時に、アドバイスされたこともあります。そのことがきっかけで、日本の大学院に行くことは止めましたが、今では、本当に行かなくて良かったと思っています。私は、その先生の言葉に負けないように、運では無く、実力で出来るようにと、学生時代は頑張って勉強しました。

大学院卒業後、就職までは大変でしたか?ビザはH1でしょうか。

私が卒業した年、2005年は、米国の好景気の影響もあり、大変ではありませんでした。ランドスケープの事務所が20社ほど、大学の就職フェアに面接に来て、翌日には、インターンをしていたEDSAの事務所からオファーをもらいました。オファー後、他の事務所も見ましたが、一緒に働くデザイナー、最初に関わる仕事内容、仕事を始める日程などを考慮し、働くことを決めました。ただし、最近は、新人の雇用状況に変化があるようです。2008年の不景気以来、厳しいですが、2013年現在、雇用は回復の傾向にあります。やはり、自分がランドスケープアーキテクトとして、どのように社会に貢献して、やりたいのか?というような明確な目標や夢がある人は、きっと仕事に就けると思います。これは、他の分野でも一緒でしょう。

ビザは、事務所が外国人を多く雇っていることもあり、人事部の人が、この作業に慣れていましたので、スムーズでした。ビザはH1になります。ただし、小さな事務所で働いても、自分で弁護士を雇ってH1ビザを取る方法もありますので、それでも良いと思います。雇ってもらう際には、その事を、事務所の人に伝えましょう。小さな事務所だと、嫌がられることもありますが、自分でやると言えば、OKと言ってくれるところも多いでしょう。ランドスケープは、そういう意味では、デザイン作業に強みさえあれば、外国人であろうと、米国人であろうと採用するオープンな事務所は多いでしょう。

ブログの記事でたまに留学にかかる資金について書かれていますが、そのなかで居住費がかなり安く済んだというお話をされていたと思います。アメリカの大学院に通う際の生活費について、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。

米国の生活費は、州によって大変異なります。例えば、カルフォルニア、ニューヨークのマンハッタン、ボストン等の都市部は、生活費が安い州に比べて、2,3倍違うのではないでしょうか。自分の頃とは、比較になりませんが、2014年次のウェブサイトによると、安い生活費の目安として、$15,580と書かれています。生活費、家賃、食費、電話など等をいれて、月に約13万円ですから、東京周辺の生活コストより大変安いのではないでしょうか?
https://professionals.collegeboard.com/higher-ed/financial-aid/living-expense

アメリカ留学の生活費

アメリカ留学の生活費


基本的に、大学院に行く場合は、二年生からは、Assistantshipなどの、教授の補佐の仕事をしながら、勉強して、お金を稼ぐ、もしくは、授業料の州内の人と同じにすると良いと思います。これは、各大学によって異なるので自分で問い合わせてください。中国からの学生等は、このような仕事、もしくは米国の大学の奨学金をとっていく学生が多いです。自分から積極的に学部長と連絡しあって、交渉しましょう。

田口さんがLSU(ルイジアナ州立大学)のLandscape Architecture学科を卒業された後、もしくは前後において、日本人の学生が割合として比較的多くいたらしいですが、この学部自体、日本に関して興味を持っていたりするのでしょうか?

特に日本に興味があるということはありません。私がいた頃は、偶然、日本人の学生が私の学年の上と、同期に一人から二人いました。ただ、その後は学科に一人ぐらいいればいい程度だと聞いています。また、日本の景観設計の都田先生が日大で非常勤講師をしていた頃に、LSUと提携を結びました。私がいた頃は、日大からの卒業生が二人ほど学部にいました。その提携を通して、Bruce Sharky先生も一学期間、日本大学で教える機会がありました。

LSUのDesignIntelligenceのランキングのみならず、就職率も非常に良い(たまに会社の方からも学生や卒業生らを紹介してほしいとの話も来る?)とお聞きしてますが、その辺り、実際にいかがでしょう?

どこの大学に行っても同じですが、自分がどのようなデザイン力、コミュニケーション力、リーダーシップ、グループで一緒に働ける力、モチベーションがあるか否かが最終的に就職に関わると思います。もちろん、大学で教えているレベルが高いほど、そのような技術を身につけることが出来るのは確かです。そういう点で、現在(2012年5月)、LSUは良い先生がいる大学と言えるでしょう。
また、隣のテキサス州の景気が良く、多くのランドスケープ事務所(LSUのOBが多い)が雇用し続けていることも就職率が良い一因にあると思います。
大学では、ランドスケープの事務所が雇用に来るJob Fair週間があります。OBがいる事務所を中心に、学生を面接に来ます。私がいた頃(2005年)は20社近く来ましたが、現在(2012年)は、その半分程度と聞いています。

LSUのDesignIntelligenceのランキングのみならず、就職率も非常に良い(たまに会社の方からも学生や卒業生らを紹介してほしいとの話も来る?)とお聞きしてますが、その辺り、実際にいかがでしょう?

特に大学名は気にしてないと思います。世界的に超有名な大学を除いては、特に気にすることは無いと思います。それらの大学の卒業生は、自分の大学に誇りがあり、その後もそれを糧に卒業生が活躍するケースも多いのも事実であります。しかし、これは、そういう傾向が多いということですので、それぞれ個人の問題だと思っています。結局、やる気があること、そして生涯に渡って自分を磨き、実力をつけていく人のほうが、私は個人的に好ましいと思います。

Design Intelligenceの出しているランキングを拝見させて頂きましたが、実際の学生の発想力や、デザインスキルは高いのでしょうか?

あくまでも、参考です。大學により、教授陣にバラつきがあり、授業も異なります。個人的な経験ですが、ランキングの高い大学から出た学生は、基本がしっかり教えられており、インターンや新人デザイナーと雇われた時に、基本的なことが出来ているので、実務をしている側から見れば、トレーニングをする必要が無く、とても良いです。DIが実際に何を見ているのか分かりませんが、全体的な学生の作品、教授の教育レベル、学生の満足度、そして卒業生の質などを見ているのではないか?と思われます。ちなみに、日本のように学齢社会ではありませんので、参考程度にしてください。ハーバードだけは、実務に数年働いた人が行くことが多く、少し違うようで、例外になります。

ルイジアナの教育で力を入れている面はどのあたりでしょうか?最近では、Bradley先生により、すごくグラフィックのレベルが高いように思いますが。


最近は、デジタルなグラフィックや、ソフトに力をいれているようです。(ただし、学生がハンドグラフィック出来なくなっていることは、反対に残念なことこです。)また、Field Tripのクラスで米国全土や海外のプロジェクトを実際に見に行くことができます。Max先生とBruce先生が主の担当の先生です。特に、Maxは高齢ですので、現在もそのコースがあるのか、問い合わせてみてください。

周りの学生は、海外にインターンに行く予定をしていたりするのですが、語学力がないがために行ってもなにもできないのでは、と踏み出せずにいます。

インターンは、語学力が無くても何とかなると思います。きっと、良い経験になりますから、日本、海外問わず、とりあえず挑戦してみたらどうでしょうか?私も中国語は話せなかったですが、学生のときに中国の事務所でインターンしました。今では中国のプロジェクトにも関わり、良い経験だったと思います。米国の学生は、普通に多くの学生が海外の会社でインターンしていますから、気軽にやってみてはいかがでしょうか?

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