Archive for the ‘ケーススタディ’ category

バッテリーパークシティー Battery Park City

7月 3rd, 2016

ハドソン川を眺めながら、ニューヨーカーになった気分で都会の緑の中を歩く。マンハッタンの最南端に位置するバッテリーパークシティーは、まさにその場所です。

前回のニューヨークの都市計画長のアマンダ・バーテンのTED TALKで紹介されたバッテリーパークシティー(Battery Park City)について、今回は紹介しようと思います。バッテリーと言われると乾電池のバッテリーか?と思ってしまうのですが、この英語のバッテリーはもう一つの意味の砲台という意味です。もともと都市を守る砲台があった土地の場所にできた公園がバッテリーパークです。自由の女神へのフェリーが出るので知っている方がいるかもしれません。そして、その北西部の埋立地の上に出来た都市開発エリアがバッテリーパークシティーです。約37ヘクタールの中の約三分の一が公園などの緑地だというのが、ここの魅力です。

このバッテリーパークシティーを歩くと、様々な緑地、例えば、広々としたベンチと芝生、噴水とアウトドアカフェ、港のような水辺などを見つけることができます。そこでは、ニューヨーカーや旅行者たちの憩いの場になっているようです。この多くの部分のランドスープデザインを担当したのがローリー・オリン(Laurie Olin)とロバート・ハナ(Robert Hanna)の事務所Hanna/Olinです。そのオリン氏がこの公園について、いかの動画で紹介しています。

残念ながら、日本語字幕はないのですが、いろいろな緑地が見れることがYouTubeを通して分かると思います。オリン氏によると、1976年当時、計画の際に以下のようなことを考えたといっています。

いかにニューヨークらしさを表現するかするか?それは全く新しく斬新的なものではないが、永久持続的なもの。
開けた水のプロムナードを作り、その緑で街をつなげる。
ストリートファーニチャー、例えば街灯、ベンチ、レーリングといったディテールがニューヨークを象徴するものにし、この基本的な要素を骨組みとし基盤をつくること。新しいものは、この上に加えていけばよい。

オリン氏の代表作には、ブライアントパーク、コロンバスサークル、ワシントンDCのモニュメントパーク、ゲッティーセンター、ロンドンのカナリーワーフなどがあります。興味があるかたは、以下の本を参考にして下さい。きっと、ディテールまでこだわった緑地空間が楽しめると思います。

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街の宝物 それは、公共空間

6月 18th, 2016

ニューヨーク市は、公共空間をどれだけ大事にしているのでしょうか?

ニューヨーク市の都市計画長を委任された凄腕のキャリアーウーマン、アマンダ・バーデン。彼女はリーダーシップを発揮しながら、マンハッタンの緑の骨格である公共空間を再生することにより、街を活性化しました。その彼女の苦労と決断力、住民に耳を傾けた日々の努力を、日本でも有名になっているのTED TALK動画で紹介します。英語が苦手な人も、日本語字幕がついていますので、ぜひご覧になってください。

彼女の役職は、日本でいえば東京都の都市計画長という位置であると理解してもらえると分かりやすいと思います。彼女は多くの住民に耳を傾け、人々が欲するものを見出し、時にはハイラインのような公共空間を保護することをサポートする決断をしました。都市計画長が女性というのも、米国らしいですね。米国は初めての女性大統領が当選する日も近いかもしれませんしね。

TED TALKのウェブサイトでは、バーデンが » Read more: 街の宝物 それは、公共空間

ランドスケープアーキテクチャーとの出会い-輿水肇先生の上原敬二賞ー

6月 12th, 2016

「緑地学を英語で訳すと何というですか?」

大学二年生の始め、私が輿水肇先生に尋ねた初めての質問でした。

「田口君、緑地学とは英語ではLandscape Architectureと言うんだよ。」そう教えてくれたのは、当時明治大学で緑地工学の教授をしていらした輿水肇先生でした。私が留学したいことを伝えると、先生は緑地工学研究室のガラス棚のびっしり詰まった本の中から、大学受験の赤本に似たような英語の本を取り出して渡してくれました。その本にはLandscape Architectureを教える海外の大学名、学部名、専門の特徴などが書かれていました。そこで初めて私は、ランドスケープ・アーキテクチャーという言葉に触れたのでした。

これを機に私はランドスープアーキテクチャー学科への留学に向けて本格的に準備をしはじめました。大学三年生になると輿水先生の研究室のゼミに入り、半年後にはコロラド州立大学に留学して、ランドスケープアーキテクチャー、特に計画や設計と言ったものを勉強しました。

今月、嬉しいことに、とてもお世話になった輿水先生が日本造園学会の上原敬二賞を受賞されました。
http://www.jila-zouen.org/awards/uehara_award_winners
同時に受賞された、東京農業大学の進士五十八先生、日本大学の勝野武彦先生も有名な先生です。ランドスケープの業界の方はご存知の方も多いのではないでしょうか?

米国の大学に留学する際には、推薦状が三通ほど必要になります。私がコロラド州立大学、ルイジアナ州立大学院の留学の際には、輿水先生に推薦状を書いて頂きました。在学時に一年間留学していたので、実際に輿水先生のゼミにいた期間は短かったのですが、卒業後も先生には多くのことを教わりました。米国の屋上緑化会議Green Roofs for Healthy Cities(Cities Alive)に一緒に参加して、屋上緑化や緑化壁の製品、課題、展望について語りました。2014年には、シドニーのWorld Green Infrastructure Conference(世界屋上緑化会議)に行き、この会議を日本に誘致するお手伝いをさせて頂きました。2015年には、名古屋で世界屋上緑化会議の開催のお手伝いをさせて頂きました。

今回、輿水先生が受賞された賞の名前になっている「上原敬二」ですが、日本のランドスケープアーキテクチャーの始祖とでも言うべき方です。アメリカはセントラルパークを設計したフレデリック・ロー・オームステッドが始祖、日本では、明治神宮の森を設計した上原敬二が始祖だと私は個人的には思っています。

実は、セントラルパークを設計したのはフレデリック・ロー・オームステッド(Frederick Law Olmsted)とカルバート・ヴォー(Calvert Vaux)の二人なのですが、その後の貢献を含めるとオームステッドがランドスケープアーキテクチャーの始祖であると言うのが一般的です。オームステッドは、ボストンのThe Fensを含むエメラルドネックレス等の多くの公園、ナイアガラの滝公園、ヨセミテ国立公園、スタンフォード大学キャンパス、米国造園協会の設立者の一人になるなど、米国のランドスケープに大変貢献した人物です。

一方日本に視点を移してみますと、明治神宮の森を作る際には、公園の父と呼ばれる本多静六、その弟子の本郷高徳と上原敬二が関わっています。その後に残した文献の量、日本造園学会の設立、東京高等造園学校の設立などを踏まえ、その後の日本のランドスケープアーキテクチャーを考えると、日本のランドスケープの始祖は上原敬二だと私は思います。

明治神宮の森は、ランドスケープ計画の要素が含まれています。以下のNHKの動画をぜひ見てください。

明治神宮・不思議の森 by Tokiomate

上原敬二についての進士五十八先生と濱野周泰先生の論文が参考になります。
http://ci.nii.ac.jp/els/110004305654.pdf?id=ART0006477078&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1465771203&cp= » Read more: ランドスケープアーキテクチャーとの出会い-輿水肇先生の上原敬二賞ー

中国の複合商業施設 三里屯VillageとThe MixC 万象城

5月 12th, 2012

ここ数年、中国の仕事に関わる機会が多く恵まれています。三月の終わりに、いくつかのプロジェクトのワークショップやミーティングに中国に行っていました。一つのプロジェクトは、商業を中心とした複合施設ということもあり、出張に兼ねて、中国のランドスケープデザインで何が出来るか?現地の素材・仕上げ・職人の質だったり、植物、スケール感を捉えるために、仕事の合間をぬって、いくつかランドスケープを見てきました。北京では隈研吾の三里屯Village,深圳ではThe MixC万象城というプロジェクトです。特に後者のプロジェクトには、しっかり出来ており、関心しました。ここまでの質が出来るのなら、米国や日本とあまり変わらないのでは?と思い、私もしっかり設計に取り組もうとモチベーションを上がりました。

三里屯Village

三里屯Village。右側の建物にUNIQLOが大きくお店を構えている。


The MixC

The MixC万象城。Louis Vuittonのお店が左側に入っている。


今回は、中国のランドスケープの質が本当に上がったことを示す好事例のThe MixC商業施設を紹介したいと思います。丁度、ショッピングモールの中にモデルが展示されており、プロジェクトの全体像を見ることが出来ました。
The MixCの全体開発のモデル。商業、ホテル、高層住宅の複合開発。

The MixCの全体開発のモデル。商業、ホテル、高層住宅の複合開発。


ホテル(左側の高層ビル)にはグランドハイアット、商業施設に入っているショップも以下の通りで、東京の六本木や銀座のブランドショップと引けをとらない並びになっています。

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グラウンドゼロ メモリアルSeptember 11th, Ground Zero Memorial

9月 9th, 2011

2001年から、もう既に10年経ったのか。。。

当時、私は、コロラド州立大学で一年間、ランドスケープ学科に所属し、勉強していました。丁度、そのとき、New Yorkにテロが起こりました。そして、私は映画の一場面のようなショッキングなニュースをひたすら見ていました。

先日、ニューヨークに行った際にWorld Trade Center跡地の前のホテルに泊まり、その様子を観察する機会がありました。10年かかっても、なかなか回復に至るには、程遠いことを知りました。この時間の流れを考えると、東北の震災復興には、多くの年月が必要だな。。。と感じざるに負えませんでした。

Ground Zero Tower,  by SOM

Ground Zero Tower, by SOM

Ground Zero, 0911夜も明るく、コンストラクションが続く。

夜も明るく、コンストラクションが続く。

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ランドスケープ・まち・建築を巡る旅行 シカゴChicago他

8月 1st, 2011

ここ一ヶ月ほど、ブログをアップデートすることが出来ませんでした。実は、祝日や休暇を利用しつつ、旅行や会議に出かけていました。フロリダのSt AugustineとWest Palm Beachでのフロリダランドスケープの会議(FLASLA – Florida Chapter American Society of Landscape Architecture)、更にはChicagoに出かけていました。

旅行に行く度に思うのが、「旅は、いつしても素晴らしい!」ということです。そこには新しい土地の人々・文化・歴史があり、それらとの出会いがあるのです。そして、時には、その街並み・ランドスケープが、私達デザイナーを刺激し、より良い空間への想像力・好奇心を増幅させてくれるのです。また、実際の空間は、本の中で見ていた建築やランドスケープのプロジェクトの写真とは異なる印象を与えることが多々あります。結局、私達デザイナーは、自らの足を動かし、その場所を訪れ感じてみるということが大事なのだと、つくづく思いました。

Chicago - 高層建築の発祥の地

Chicago - 高層建築の発祥の地

時には、普段の目線から離れて見るのも面白いものです。特に、水空間が » Read more: ランドスケープ・まち・建築を巡る旅行 シカゴChicago他