Archive for the ‘ケーススタディ’ category

今どきのリゾートはヴィラを中心とした低層建築、かつプライベートに…

7月 20th, 2010

ホテル・リゾートのランドスケープ  - フロリダのカプティヴァ島とサニベル島(Captiva and Sanibel Island)②

前回からの続きで、フロリダのカプティヴァ島にあるSouth Seas Island Resortを紹介します。このリゾートは、ランドスケープ・景観の観点において非常に良く出来ており、素晴らしい場所がたくさんあります。
多くのホテルのランドスケープデザインに関わる私自身も、「また泊ってゆっくりしたい。」と思うような場所です。特に素晴らしいと思った点は、ホテル客室のヴィラを主として、レセプションセンター、レストラン、ビーチクラブ等の低層建築が広大な敷地を利用して上手に配置されている点が挙げられます。

South Seas Island Resortを上空から見る。 ©Google Map

South Seas Island Resortを上空から見る。 広大な敷地に低層建築が配置されている。©Google Map

衛生写真を見ると、西側にあるプライベートビーチ沿いに建物が並んで配置されているのが分かるでしょうか?これらは、オーシャンビューを意識した敷地計画に » Read more: 今どきのリゾートはヴィラを中心とした低層建築、かつプライベートに…

ホテル・リゾートのランドスケープ  - フロリダのカプティヴァ島とサニベル島(Captiva and Sanibel Island)①

5月 3rd, 2010

以前にいくつか公園や広場などを紹介してきましたが、今回から暫くの間、私が現在住んでいる米国フロリダ州のランドスケープを案内しようと思います。フロリダ州はアメリカの中でも日本から最も遠くにあり、日本人が訪れる機会があまりないので、皆さんにとって中々想像し難い場所のようです。先日、私の両親が初めてコチラに遊びに来たのですが、私が何処の都市に住んでいるのか、あまり理解していなかったようです。。。

アメリカの地図 フロリダ州

アメリカのフロリダ州はココにあります。

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Promenade Plantée パリの空中公園は地上の公園へと繋がる

3月 11th, 2010

ブログ「Promenade Plantée パリの空中公園」の引き続きです。今回は、なぜこのパリにある長距離の緑空間(公園+緑道)が素晴らしいか?説明したいと思います。その理由は、この緑の繋がりは、ある地点にに来ると、伝統的なフォーマルな空間からコンテポラリーな公園へと変化する魔法のような緑空間にあるのです。
 
前回に紹介したように、Promenade Plantée(プロムナーデ プランテー)の緑道部分は、クラシックかつフォーマルな様式を取り入れた公園です。これらは、パーゴラ柱やアクシス(中心軸)を意識した長方形をした水盤などのランドスケープ・エレメントに忠実に表現されているかと思います。

深緑色をしたトレリスと球盤

バラを絡ませた深緑色のトレリスと球盤

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Promenade Plantée パリの空中公園

3月 4th, 2010

以前にニューヨークに出来たばかりの新しい公園 – The High Line Parkを紹介しました。今回は、その先例となったパリにあるPromenade Plantéeを紹介したいと思います。私が訪れたのは、大学院を卒業した後すぐの2005年9月ですから、少し情報的には古くなりまが、私のスケッチブック(ジャーナル)にも素晴らしい線路高架を利用したプロジェクトと書き記してあり、とても記憶に残るユニークな公園です。
 

屋上公園の下には、ブリックのファサードをもつアート・クラフト系のショップが並んでいます。

屋上公園の下にある、ブリックのファサードをもつアート・クラフト系のショップ


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三菱一号館美術館 - 復元を用いて、旧きモノを新しく。

2月 11th, 2010

前回から引き続いて、丸の内パークビルディングと三菱一号館美術館です。今回は、少し建築に目を移してみたいと思います。特に、この場所で特徴的且つユニークなのがジョサイア・コンドルがオリジナルを設計した三菱一号館です。
土地のオーナーである三菱地所を中心に、『復元』という手法を用いて明治初期のオフィス建築に付加価値を加え、美術館として生まれ変わりました。私が美術館を訪れた際、その復元方法の展示を見ることができ、昔の丸の内の歴史や成り立ちや一号館の建築施工方法などを感じることができ、ランドスケープ・アーキテクトとして大変興味深いものでしたので、これを機会に紹介したいと思います。

レンガ造りの三菱一号館美術館。広場を囲むようにして、建物があります。よく見ると黒柱とガラスの構造体が付属さています。

レンガ造りの三菱一号館美術館。広場を囲むようにして、建物があります。よく見ると黒柱とガラスの構造体が付属さています。


 
さて、この『復元』という方法は、 » Read more: 三菱一号館美術館 - 復元を用いて、旧きモノを新しく。

緑の柱・壁面緑化|Living Wall – 丸の内パークビルディング

2月 4th, 2010

丸の内パークビルディングのピロティ部にある緑の柱(壁面緑化)について、詳しく見てみたいと思います。
 

遠くから緑の柱を見る。スケール感を感じ取って欲しい。

遠くから緑の柱を見る。ぜひスケール感を感じ取って欲しい。


 
最近の壁面緑化の面白さは、様々な色調とテクスチャーにあると思います。以前までは、つる植物に限られていた壁面緑化の植物素材が、壁面緑化の技術の発達により、グラウンドカバー植物を直接に緑化基盤に植えることが出来るになり、多種多様の植物が用いられるようになりました。つる植物の場合は、「吸着してよじ登る」「からまってよじ登る」「垂れる」などの生育特性を生かした登はん型やユニット型を中心としたものでしたが、現在は、この丸の内パークビルディングの緑の柱に使用された垂直基盤型が現れ、ランドスケープ・アーキテクトの使用する植物素材が、とても自由に広がりました。
 
ランドスケープ・デザインの視点から、この壁面という垂直な構造体を考えると、とても視認性が優れているという点があります。簡単に言うと、普通に写真を取った際に、その画面に占める割合が多いということです。ということは、外部空間において壁というのは、空間を定義するだけでなく、人の目に自然と入ってくる大きな要素なのです。この視覚的アピールを利用し、最近の壁面緑化は企業やデベロッパーが私の建物は「環境に良いものだ!」と主張する広告・看板的な効果を目的とした利用が多いです。私自身の写真はありませんが、銀座のソニービルの壁面緑化も、「環境を配慮している」という会社の方針を示す広告効果を狙ったものとして例が挙げられると思います。 » Read more: 緑の柱・壁面緑化|Living Wall – 丸の内パークビルディング