Posts Tagged ‘壁面緑化’

Greenacre Park 緑、水、そして冬の対策

5月 3rd, 2011

前回紹介したグリーンエーカーパークの続きです。今回は、植栽の緑、カスケードの水景施設、そして、公園の冬の寒さ対策について書くことにします。
このGreenacre Parkにおいては、見本となったポケットパークのPaley Parkと同様に、小さな空間を活かすとともに、ハードな壁面の視覚を和らげるために、ツタによる壁面緑化がされていました。やはり、密度の高い都市空間では、壁という立面をどのように扱うのか重要なのでしょう。メインの樹木がアメリカサイカチ【Gleditsia triacanthos(Honey Locust)】が使われいたので、Paley Parkと同じく、ヘデラ【Hedera helix(English Ivy)】が使用されているのだろうと思っていましたが、ここでは、ナツヅタ【Parthenocissus tricuspidata(Boston Ivy/Japanese Ivy)が使われているそうです。両方とも夏場は、緑色をしているツタなのですが、秋には、グリーンエーカーで使用されているナツヅタは鮮やかな赤色に紅葉しますので、雰囲気が大変変わることでしょう。

Parthenocissus tricuspidata

ナツヅタParthenocissus tricuspidataで覆われた壁

ツタ一つを選ぶのにも、それが » Read more: Greenacre Park 緑、水、そして冬の対策

緑の柱・壁面緑化|Living Wall – 丸の内パークビルディング

2月 4th, 2010

丸の内パークビルディングのピロティ部にある緑の柱(壁面緑化)について、詳しく見てみたいと思います。
 

遠くから緑の柱を見る。スケール感を感じ取って欲しい。

遠くから緑の柱を見る。ぜひスケール感を感じ取って欲しい。


 
最近の壁面緑化の面白さは、様々な色調とテクスチャーにあると思います。以前までは、つる植物に限られていた壁面緑化の植物素材が、壁面緑化の技術の発達により、グラウンドカバー植物を直接に緑化基盤に植えることが出来るになり、多種多様の植物が用いられるようになりました。つる植物の場合は、「吸着してよじ登る」「からまってよじ登る」「垂れる」などの生育特性を生かした登はん型やユニット型を中心としたものでしたが、現在は、この丸の内パークビルディングの緑の柱に使用された垂直基盤型が現れ、ランドスケープ・アーキテクトの使用する植物素材が、とても自由に広がりました。
 
ランドスケープ・デザインの視点から、この壁面という垂直な構造体を考えると、とても視認性が優れているという点があります。簡単に言うと、普通に写真を取った際に、その画面に占める割合が多いということです。ということは、外部空間において壁というのは、空間を定義するだけでなく、人の目に自然と入ってくる大きな要素なのです。この視覚的アピールを利用し、最近の壁面緑化は企業やデベロッパーが私の建物は「環境に良いものだ!」と主張する広告・看板的な効果を目的とした利用が多いです。私自身の写真はありませんが、銀座のソニービルの壁面緑化も、「環境を配慮している」という会社の方針を示す広告効果を狙ったものとして例が挙げられると思います。 » Read more: 緑の柱・壁面緑化|Living Wall – 丸の内パークビルディング

丸の内パークビルディング(ブリック・スクエア)と三菱一号館美術館の広場

1月 27th, 2010

実は私は年末から新年にかけて、日本に一時帰国していました。その際に、東京で『これは素晴らしい。』と思ったランドスケープの一つを紹介したいと思います。それが、丸の内パークビルディング(ブリック・スクエア)と三菱一号館美術館の広場・中庭です。この場所は、東京駅の丸ビルがある仲通を有楽町・銀座方面に少し歩いたところにあります。少し奥に入った場所にあるので、気づきにくいかもしれませんが、その分、中に入ると都会の喧騒を忘れてしまうような、ちょっとした楽園的な空間になっています。特に私が行った日は、仲通りを歩いていると冬の北風やビル風が非常に強く吹きとても寒かったのですが、このブリックスクエアの入り口に入ると、気のせいかビル風があまりなく、外にいても快適でした。きっと広場が低層の建築物に囲まれていることにより緩和されたのだと思います。一方、仲通りそのものはほぼ南北に道が走っている為に、冬の北風をよく通すのでしょう。

仲通から丸の内ブリック・スクエア入り口

仲通から丸の内ブリック・スクエア入り口。角のお店は、花屋。

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