これからランドスケープを勉強する、実務をする人への本(造園計画、造園技術)

2016年 6月 5日 日曜日by Taguchi Leave a reply »

私は日本の大学で緑地学を学び、米国でランドスケープアーキテクチャーを学びました。そして、米国のEDSA事務所でランドスケープアーキテクトとして、11年働いています。今年、このブログに連絡をくださった方の中から二名、米国のランドスケープアーキテクチャーの大学院への留学が決定したと連絡をいただきました。これは、とても嬉しいことだと思います。しかし個人的にですが、日本人でランドスケープの分野に関わる若い人たちが年々少なくなっているような気がしています。私は現在日本におりませんので、感覚的にですが、留学する人も僅かなのではないかと思います。
ただ嬉しいこともあります。日本で他の分野を学んでいた方が、ランドスケープを新たに学ぶために米国へ留学をしたいという相談を受けることが増えてきました。例えば、建築、社会地域学、または、経済、英文科など、それは人それぞれです。

では、このような方が、手軽に日本語で、どのようなランドスケープの本を読んで勉強すれば良いのか?
今日はその方法の一つをご紹介したいと思います。

高等学校用の「造園計画」という教科書を私はお勧めします。実務をしている私が見ても、よくまとまっていると思います。大学の先生が教えるような基礎的なことが大体カバーされています。とても安価な本(当時400円)ですので、大学生でもぜひ持っておくと良いと思います。実務をする場合にも、一冊持っておくと便利だと思います。
本に記載されている(日本、世界の庭園の歴史)は、簡潔に書かれていて分かりやすく、この本に出てくるような庭園や公園には、ぜひ足を運んでみるとよいでしょう。私は、大学四年生の時(2002年)に一冊、2010年に一冊買っています。コンピューター技術の発展もあり、私の持っている2010年度版に記載されている、造園製図については少し時代遅れの内容なので、現在は改定されていると良いのですが、確認はできていません。
また、この本は、造園の範囲での設計や計画に収まっており、今後、近代や現代のランドスケープの広大な領域までカバーできるような内容に将来改定されることを期待しています。そして、マスタープランのような敷地計画や、都市デザインまで、現代のランドスケープの仕事をカバーする内容になると良いと思います。これらの不足部分や将来補充に必要な項目があるものの、ランドスケープアーキテクトを目指す方に、「一冊持っているべき本」としてお勧めします。ランドスケープの分野において、高校生から学ぶ人たちがもっと増えてくると良いのかもしれませんし、実務においても採用していくことを検討する必要があるのではないでしょうか?

高等学校教書 造園計画、造園技術がランドスケープ初心者にお勧めです。

高等学校教書 造園計画、造園技術がランドスケープ初心者にお勧めです。


次の本は、これも高校の教科書の「造園技術」です。これは、

ランドスケープアーキテクトの実務に関わる上で、必要な知識や技術的なことが書かれています。ランドスケープの施工管理の過程や、デザインをする際に知っておくべき、植物、岩石、木材、金属、コンクリート等の素材について書かれています。また、植栽方法や造成の知識まで幅広く記載されています。造園樹木の特徴なども、良くまとまっていますし、この本に載っている樹種は知っておくと良いと思います。また、日本庭園に代表される技術がまとまっていますので、日本庭園を設計しなければという時には、大いに役に立つと思います。これらの本は、書店で頼むか、http://www.kyokasho.jp/で購入できます。

私は、二年前にアラブ首長国連邦のドバイで日本庭園を設計する機会に恵まれました。ドバイでは環境や植栽が全く異なり、更には、日本の施工業者も一人も入らないという環境を踏まえて設計する必要がありました。設計、施工管理をする時に、ここに書かれているような基礎的な知識を参考にしました。また、ここにある教科書だけでなく、古典的な手法の書かれている本(上原啓二著)などを参考にしました。
海外に日本庭園のような庭が欲しいというようなクライアントはもういないのではないかと思っていたため、驚くと同時に、私にとって、とても新鮮な体験となりました。その経験の中でも特に、日本には石材の造園技術が素晴らしいことに気づきました。ドバイの仕事では、そのような伝統的な技術を持つ人は現場におらず、日本の石材の代替になるようなものがありませんでした。そのため、ディズニーやユニバーサルスタジオのようなコンクリートをまるで本物の石のように加工するアーティストとコラボレーションして完成させました。

私の祖母が新聞広告を見て一式購入していた、上原啓二の「庭園入門」がとても役に立ちました。また古典的な築山庭造伝、都林泉名勝図会のような本も参考になりました。


米国に留学に来る学生は、ケビンリンチの敷地計画や都市のイメージの本にも触れておくと良いでしょう。

関連記事

Advertisement

2 comments

  1. わたなべ より:

    こんばんわ。今日通信以外でランドスケープの勉強する方法がないか調べていたら、ここのブログへアクセスできました。
    現在、保育士をしておりますが、子どもたちの育ちの環境でランドスケープが活かせたらと検討してますが、通信で大卒の資格も取った方が海外でも役立ちますか? 今は短大卒で、保育の分野しか勉強したことありません。卒業研究に少し建築とランドスケープを交えた程度です。

  2. Taguchi より:

    わたなべ様

    通信にはあまり詳しくないので、大卒の資格をとったほうが良いのかどうか?ということには判断が難しいです。
    将来ランドスケープデザイナーになりたいようでしたら、それになる為の基礎的な技術は仕事に就く前に必要だと思います。

コメントを残す

Comments links could be nofollow free.