High Line Park – 総括 – 荒廃した高架。そこに敷かれた砂利の間から生えた草。全ては、ここから始まった。

2010年 1月 22日 金曜日by Taguchi Leave a reply »

現在、ニューヨークのアイコン的な公園になったThe High Lineだが、2001年当時は貨物列車が使用しなくなってから約20年が経ち、市長のジュリアーニの了承の下に、取り壊しまで後1ヶ月という寸前の危機に直面していた。
その取り壊しに関する自治会(Community Board Meeting)で、ある二人の住民が出会うまでは。。。

この二人の名前はJosha DavidとRobert Hammond。後に、非営利団体のThe Friends of High Lineを作ることになり、このThe High Lineの貨物列車高架の保存を唱え、その上に公共空間があることを想像しました。彼らが始めた草の根運動は、アーティスト、芸能人、企業家、政治家を含め、少しづつ大きな運動に発展します。

その願いは市長選の政策課題に取り上げられ、遂には、市からの公共空間としての利用許可が降ります。そして2003年にThe Friends of High Lineを中心に、この公園を作るきっかけにもなる国際コンペを開くまでに至りました。現在は、The Friends of High Lineは、運営管理に積極的に関わりつつ、そのコストの約7割の資金を補う為の、多大な献金を集める中心的な存在になっています。

今回は、総括としてthe Friends of High Lineが多く使用しているYouTubeを活用して、一連の事がわかる画像を紹介します。もちろん、実際に皆さんには行って欲しいのですが、少しはこれで体験出来たらと思います。英語ですが、少し分からなくても、どれも楽しめると思います。

まずは、全体的なHigh Lineの内容がわかるビデオ。映画「アメリカンヒストリーX」で有名なEdward Norton(ニューヨーク市民)が出てたりします。



The High Line公園の全体の流れ


コチラは、The High LIneの全体のデザインが分かるビデオです。これには、2010年度完成予定のSection 2の部分のデザインも含まれています。構造体が出来ていく3D画像や、植物がニョキニョキ現れるのもとても分かりやすい、且つ効果的に作られています。The High Lineは、これからが本当に楽しみです。


The High Lineデザインのプレゼン


下は、詳細の歴史的背景。なんとナレーターは何と、今は映画「今を生きる」「ガタカ」などで有名なEthan Hawke。


The High Line公園の歴史的背景


次はThe Friends of High LineとストリートアーティストのMichael DeFeoが催した『the High Line Portrait Project』。現存する草が生えた高架上のHighLineを背景にして、1000人以上支援者のニューヨーカーの写真を撮ったそうです。この写真は、工事現場の壁にも貼られ、きっと楽しい工事現場だったと思いますし、献金を募るのにも一翼を担ったと思います。


the High Line Portrait Project アーティストと市民の参加


The High Lineの様子とランドスケープアーキテクトのField Operationとコラボレーションした建築家Diller Scofidio+Renfroへのインタビュー。


現在のHigh Line公園の様子

【総括】

この公園は、都会の車の喧騒から隔離され、公園の中は落ち着きがあり、さらには、そよ風も吹きマンハッタンのど真ん中にいる事を忘れてしまいそうな不思議な空間があります。ただ、この公園ならではの良さは、ところどころで高層建築に囲まれたり、交わったりしてその複雑さがニューヨークならではの良さを引き出しているところであると私は考えています。
The High Line公園は未だに一部しか完成していなく、セクション2はまだ工事中です。また次回機会があったら個人的に訪れたい公園ですし、ニューヨークに旅行する方は必見だと思います。

私が個人的に考えるこの公園が良い公園だと思う点:

  • 宙に浮くような屋上空間から観る日常とは異なる都市の景色=都市のGenius Loci(土地の元来持つ個性・気風)の利用
  • 古いものを新しくした。つまり、古いもの自体が、現代の人にとって新しいという概念。
  • 都市における路上の車交通による喧騒から分離された歩行者だけの公園=人々の為だけの空間=動線の分離
  • 緑のリボン状に線的に拡がる緑地公共空間と過密した都市の繋がり
  • 市民のサポート団体・応援。さらにはDiane Von Furstenberg等のセレブ達の大きな献金援助。
  • ブログでは触れなかったが、この公園が暗くならないように、周辺の地域のがセットバックするという、Zoning(都市計画)上の変更。ニューヨーク市、つまり行政の方からも動いたという点。
  • この公園を中心にして周辺の地域の活性化。多くの店舗が周辺に集まってきたり、再開発が行われ経済的な効果が現れた。市の税金の収入も向上。

課題:

  • 管理費が高い。$672/Acre。年間3,5-4.5millionドル必要であると予想されている。
  • Zoning(都市計画)上の変更は、開発権利の移行で補ったので、その移行されたエリアでは、とても高い高層ビルが将来的に建ってしまい、その周辺環境を害する可能性がある。

メモ:
トータル4,7acreのThe High Line公園は、セクション1では$74millionドルを使い、トータルでは$172millionドルの建築費用を予定している。

<参考文献>
“Back on Track,” Alex Ulam: Landscape Architecture Magazine, October 2009: 90-109
The High LineオフィシャルHPhttp://www.thehighline.org/

<追記>
April 26, 2011
ナショナルジオグラフィックにもハイラインの特集がされていました。簡潔にまとまっていますので、良かったら読んでみてください。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20110415/106364/

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