ランドスケープアーキテクトの資格

2017年 12月 3日 日曜日by Taguchi Leave a reply »

「日本とアメリカのランドスケープアーキテクトの違いは?」

アメリカのランドスケープアーキテクトの大きな違いの一つが、ランドスケープアーキテクトの資格制度であると私は思っています。多くのアメリカのプロジェクト(個人邸を除く)は、市や行政(郡)から敷地計画申請(Site Plan Suborbital)の許可が必要であり、その項目の一つにランドスケープアーキテクトが関わる、市のランドスケープ条例に従った緑化計算図面が含まれています。つまり、プロジェクトチームの一員としてランドスケープアーキテクトの資格を持った人が必要であり、その資格者のサインと判子がある図面が必要になるのです。

土地の広いアメリカでは、建築士(Architect)、土木技術士(Engineer)、ランドスケープアーキテクト(Landscape Architect)などの専門職業は、州ごとに登録・管理・管轄されています。アメリカ合衆国(がっしゅうこく)と言われる国名のように、州が集まって国家が成り立っているのです。つまり州ごとにより、多少の専門職の条件が異なるのです。また、州の専門職業条例課(Department of Business and Professional Regulation)が管轄するビジネスは、不動産士、美容師、酒屋、薬局など様々な分野も含まれます。

条例には、資格がある者のみが「Landscape Architect」「Landscape Architecture」「L.A.」「Landscape Architectural」「Landscape Engineering」を使用できると書かれています。つまり、資格がない人たちが、ランドスケープアーキテクトと書いた名刺や業務などをしていると罰則されてしまいます。日本で資格が無い人が建築士と言えないのと一緒のことです。ただし、個人邸のガーデニングデザインのように、ランドスケープデザインという言葉を用いることは資格を必要としません。

ランドスケープアーキテクトは、人々の健康・安全・社会福祉守るために、豊かな環境やコミュニティーを創造してい仕事ですが、その際に建築条例などを厳守することも重要な一つになります。それらの一つには、身体障害者を考慮したユニバーサルデザインに関する条例(American Disability Act)も含まれます。また豊かな都市を作るために、アメリカの都市は緑の量、ミティゲーション、植物自生種の推進、セットバック、浸透エリアなどを開発の際に考慮する条例を少しづつ更新しており、それらを理解し、開発の際の図面を作る業務もランドスケープアーキテクトの仕事の一つになります。

「ランンドスケープアーキテクチャーとは?」
私は、環境と人日の場所づくり(Place Making)をする仕事が主なランドスケープの仕事だと思っています。英語になりますが、アメリカのランドスケープアーキテクチャー雑誌がYour Landという特集号で、簡潔に仕事について書かれているので、ぜひ見てもらえると理解して頂けるかと思います。

http://pubs.royle.com/publication/?i=388477#”{“
PDF版はこちら
Landscape architecture is the work of making specific kinds of places outdoors. It could be designing a town square or a playground—even a whole city. It could be designing a pond to make it better for frogs,turtles, fish, and birds. Some kinds of landscape architecture are easy to see, like a park. Other kinds may look completely wild, like a meadow or a mountainside. Landscape architecture is dedicated to the design of healthy environments and communities, and to protecting the health, safety, and welfare of people.

「アメリカのランドスケープアーキテクトの資格を取得するには?」

試験については、CLARB(http://www.clarb.org)のページを見てただけると良いです。私が受験した頃は五つの試験でしたが、現在は、四つの試験にまとめられ、受験する必要があります。これらは、コンピューター形式の試験です。

Section 1: Project and Construction Management
Section 2: Inventory and Analysis
Section 3: Design
Section 4: Grading, Drainage and Construction Documentation

さらに州ごとにより、もう一つ試験があります。フロリダの場合は、フロリダの試験があります。試験費用2017年12月現在、Section 1&2が$360、Section 3&4が$560、フロリダ州のテストが$300です。(結構、高いです。)
受験者の資格は、ランドスケープの認定がある大学のランドスケープ学科を卒業し、一年の実務をした者、もしくは、その大学を卒業していない者は約6年の実務経験の仕事をした者になります。

「アメリカのランドスケープアーキテクトの資格の更新について」
私の住んでいるフロリダ州では、二年に一度、奇数年の11月の終わりに資格の更新を行う必要があります。その二年に一度が、先月でした。その二年間の間に16のクレジットの継続教育(CEU)を受ける必要があります。この間にランドスケープの会議や認定業者からのプレゼン、もしくは、インターネットの教育業者(Red Vector等)の講習とテストでクレジットを取得する必要があります。そのうちの2つのクレジットがフロリダ建築条例(Florida Building Code)によるもの、また他の二つがフロリダの法律と条令(Laws & Rules)によるものです。フロリダにおいては、条例のSection481のPartIIにおいて、ランドスケープの業務、目的、定義などが規定されています。また、更新しない場合は、$50の活動停止費(Inactivation Fee)を払う必要があり、活動停止期間により、一年間8クレジットの継続教育を受けた後に、また活動開始申請をしなければなりません。また仕事場を変わった時は、一ヶ月以内に報告する必要がある等、細かいことまで指定されています。

「日本の登録ランドスケープアーキテクト」
http://www.cla.or.jp/rla/

日本の登録ランドスケープアーキテクトは、2017年12月現在、611人。アメリカのランドスケープアーキテクトの資格保持者は約16,400人おり、約27倍になります。この数字を見ただけでも規模の違いを感じるとともに、日本のランドスケープアーキテクトがこれから成長していくのを期待しています。

今回は、日本と米国のランドスケープアーキテクト制度の違い、書いてみました。少し専門的になったり、個人的な意見も含まれるかもしれませんが、ランドスケープに関わるディベロッパー、建築家、土木技術者等の方や学生さんも辛抱して読んでもらえると嬉しいです。制度にすると少し面白くありませんが、仕事をしていく上では基礎的なところであり、重要でもあるのです。

https://www.asla.org/FAQAnswer.aspx?CategoryTitle=%20About%20the%20Profession&Category=3150からの引用。
How many landscape architects are there in the United States?

The U.S. Department of Labor in 2014 (most recent count) identified 22,500 employees in the landscape architecture field, a growth of about 10 percent from 2012, the previous count.

How many landscape architects are licensed?

Approximately 16,400 landscape architects are licensed. Licensure is required in all 50 states to be identified as a “landscape architect” and in 47 states to practice landscape architecture.

<追伸>
数年前、中国の北京のEDSAorientでインターンしていた頃の友人とスカイプで話す機会があった。年に数度、先輩である彼と話すのだが、とてもランドスケープに対する前向きな姿勢があり、ランドスケープ業界にも、まだまだやる気がある人がたくさんいる事に気づき、本当に嬉しい限りだ。今回、彼は日本のRLA(登録ランドスケープアーキテクト)の資格に合格したらしい。Congratulation!!! しかも、西日本のRLAに関する会議に大阪まで行ったとの事、本当に積極性があるのが素晴らしい。彼は、建築士の資格もその後、取得しました。本当に尊敬します。

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